自然損耗の負担割合
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自然損耗については払わなくていいの?

ガイドラインでは例えば日光によって絨毯の一部が変色したとか、タバコを吸っていた関係で壁紙が少し黄色くなったとか、そういう自然損耗については払う必要はない、と決められています。

これについて、「本当にそれだと賃貸人は結構大変なんだな」と考える人も少なくないみたいですが、実際はそういうことにはなりません。

何故なら、賃貸人は賃借人から賃料を取っているわけで一般的に予想されるくらいの汚れや磨耗については当然計算に入れて賃料を取っている、ということになるからなのです。

もちろん実際には賃料相場の関係で業者からすると多少安めに設定している、という話もあるようですが、それはあくまで業者側の都合であり、きちんと決められているルールを業者側の都合だけで左右していいものでないのは当然のことです。

自然損耗について賃借人側が払う場合

賃借人が自然損耗について払う場合はないと見ていいわけですが、特約があれば場合によっては払う場合もあります。

契約書に「壁紙の取替えは賃借人が行うものとする」などとある場合ですね。

もちろん、前記のように一方的に賃借人が不利になる条項は消費者契約法に違反するとして無効となるのが原則です。

ただ、消費者契約法が消費者が一方的に不利になるのを是正するために生まれた法律であることからすれば、そうでない場合、つまり、消費者が得をしている部分もあるんだというような場合には認められてもいい、という考えになります。

賃貸人が「賃料を二割減にしてもいいから、最後完璧にして返してほしい」とかいうような事情で貸した場合などには、これは賃借人は賃料を二割得しているのですから自然損耗も賃借人負担、となる場合もありうるわけです。

もちろん、合理的な理由があったとしても賃貸人が一方的にそう思っているだけではダメで、相手の同意がなければなりません。

結局、特約が有効になる条件は、

  1. 特約の必要があり、かつ暴利的でなく客観的、合理的理由があること。(リフォーム代金は借主の負担とするが、周辺の家賃相場に比べ低価な家賃設定である。ペットの飼育を認める代わりに壁紙の前面張替えと業者の行うクリーニング費用を借主の負担とする。)

  2. 賃借人が特約により、通常の原状回復義務以上の従前義務を負うことにつき認識していること。

  3. 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること。

これに反すれば、消費者契約法により、無効。

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